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西洋古典文学を読む・・

ホメロス Homerus・・「オデュッセイア」Odyssia

オデッセイ冒頭

引用 quote

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かの人を語れ、ムーサよ、トロイエ―の聖(きよ)き 都を掠めた後に、諸所方々をさ迷って、数々の人の町を見、その俗を学んだ、機に応じ変に処するにたけた男を。

命を護(まも)り、一党を無事に帰国させんとて、海上で数々の苦労を心になめたが、苦心も甲斐なく、一党を救うことはできなかった。

愚かな者共よ、日の神ヒュペリーオーンの牛を啖(くら)ったばかりに、神は帰国を彼らより奪い、おのれの愚行で彼らは身を滅ぼしたのだ。

高津 春繁(こうづ はるしげ、1908- 1973)訳

第一巻

神々の会議。アテ―ネー、テーレマコスを励ますこと

人の子と神々の父のゼウスは口を切った。「死すべき人の子が神々を責めるとは、なんたることだ」

(子の)「ポリュペーモスを盲にした日から、地震(ない)の神ポセイドーンは 、オデュッセウスを殺しはせぬが、故郷(ふるさと)はるかにさまよわせている。」

高津 春繁(こうづ はるしげ、1908- 1973)訳

Illustrations of Odyssey 1810年:Flaxman's Odyssey  http://www.bc.edu/bc_org/avp/cas/ashp/flaxman_odyssey.html
by John Flaxman (1755–1826)

オデュッセウスの息子テーレマコス・・イターケーの王オデュッセウスが帰国せず7年。何歳くらいだろうか?「もうそんな年ではないのだから、幼い心は捨てるのだ」と他国の人(メンテ―ス)の姿を取って訪れたアテーネー女神が言う・・

登場人物は、オデュッセウスの愛息子テーレマコス・・公子 
オデュッセウスの妻ペーネロペイア、その腰元たち
その求婚者たち・・そのリーダーのアンティノオス:敵、エウリュマコス:味方かもしれない
アカイア人の帰国の物語を歌う歌人
テーレマコスの乳母エウリュクレイア・・
使者ヘルメースはオデュッセウスを捕えているオーギュギニーの島のニンフに神々の決議を伝えに行く

第二巻

イタケー人の評定。テーレマコスの出発

ばら色の指の曙(エ―オ―ス)が朝(あした)に空を染めるや否や、オデュッセウスのマナ息子は床をはなれ・・

テーレマコスは青銅の槍を手に寄り合い所に出かけていった。だが一人ではなく、二頭の足はやい犬が従った。

高津 春繁(こうづ はるしげ、1908- 1973)訳

by John Flaxman (1755–1826)

テーレマコス・・父であるイターケーの王オデュッセウスが帰国せず7年。何歳くらいだろうか?「もうそんな年ではないのだから、幼い心は捨てるのだ」と他国の人(メンテ―ス)の姿を取って訪れたアテーネー女神が言う・・

登場人物は、老齢で腰の曲がったアイギュプチオスの殿:味方、(愛息子アンチポスはキュクロープスに食われた)別の息子の一人エウリュノモス:敵
(オデュッセウスの友ハリテルセース?)
ペネロぺイアが織物が縫い上がるまで結婚を待って欲しいと求婚者たちに言いながら、夜は織物を解いて、欺いていたという(※下図)、アンティノオス:(求婚者)敵の話
(ポリュボスの子)エウリュマコス:敵であった
(エウエノールの子)レオクリトス:敵
オデュッセウスの友メーントール(オデュッセウスが船出の時老王ラーエルテ―ス(?)の指図のもと留守を守るように任せた)
⇒アテーナー女神がテーレマコスの姿を借りて、船の用意をする
オデュッセウスが帰国の日に備えていた倉からエウリュクレイアが大麦や酒などを革袋に入れて準備をする
その日の夕暮れに出発(プロニオスの子ノエーモンの船) 

The suitors discover Penelop's ruse

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"OdysseySuitors" by John Flaxman - From [1]. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.

第三巻

ピュロス

太陽は、不死の神々と死すべき人の子のために実り多い大地を照らすべく、麗しい海原から青銅の蒼穹に登り、彼らはネーレウスの堅固(けんご)なる城ピュロスに着いた。

※ペロポネソス半島の西 最近(?)宮殿跡が発見され、文書が出土した(by訳者)

人々は海辺で大地を揺るがす黒髪のポセイドーンに真っ黒な牡牛を犠牲に捧げていた。

※百頭牛犠牲祭(ヘカトンベー)

「船に乗ってはるかにかすむ海原をアキレウスの導くままに略奪のための彷徨、プリアモス王の大いなる町をめぐった戦闘、おお、なんたる思い出だ!」(ネストール)

「死後に息子を残すのは、なんとよいことか!」

高津 春繁(こうづ はるしげ、1908- 1973)訳

アトレウスの二人の子メネラーオスとアガメムノーンの帰国を巡る争いで全軍が半分に分かれ、オデュッセウスとネストールはともにメネラーオスと帰国しようとしたが、途中でオデュッセウスはアガムノーンのもとに帰らなければいけなくなった。何も分からずに帰ってきた。
帰国後アガメムノーンは、アイギストスにだまし討ちにあったが、彼は惨めな罰を蒙った。

登場人物は、(ネーレウスの子)ゲレーニアの戦車を駆るネストール、その息子ペイシストラトス、トラシュメ―デ―ス、 
テーレマコスは馬をつけ、五彩に飾った車の乗って、最後の旅程に  

Nestor makes sacrifice to Athena

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"OdysseyNestor" by John Flaxman - From [1]. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.

メントールの姿を取ったアテーネー、 顕現したアテーネーに牝牛の角に金箔を巻いて捧げる

第四巻

ラケダイモ―ン

彼らは谷間深くに横たわる低いラケダイモ―ンに着いた。

アトレウスの子メネラーオスは若殿メガペンテースにはスパルテーからアレクトールの娘を嫁に迎え、 姫はアキレウスの子に送ろうとして、結婚の振る舞いをしていた

メネラーオスの語る海の老人(エジプトの不死の神プローテウス(=ポセイドーンの召使)の予言、その娘エイドテニ―女神の助けで エジプトのパロスという島から逃れた話

アイアースはポセイドンが溺死させ
無事に帰ったアガメムノーンはアイギストスが殺す
ラーエルテ―スの子(=オデュッセウス)はニンフのカリュプソーの館にいる。

「神々はお前(メネラーオス)をエーリュシオーンの野(神々に愛された人々が死後そこで幸多い生活を営んだという、ハーデースの冥府とは別の西方にある)に送るであろう

高津 春繁(こうづ はるしげ、1908- 1973)訳

登場人物は、 メネラーオス、その侍従エテオーメウス
妻:黄金の糸巻竿のアルテミスさながらのヘレネーネ、アドレーステー、アルキッぺ―
ネストールの息子ペイシストラトス、
ペネロ―ペイアがふれ番メド―ンから求婚者どもの待ち伏せ殺害の企みを聞き初めて、テーレマコス(まだ子供で、苦労も言葉もまだよくわきまえぬ)が出かけたことを知る。アテーナーが遠く離れたペネロ―ペイアの姉のイプテーメ―の幻を送って慰める

Demodokos sings Troy song

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"OdysseyDemodokos" by John Flaxman - From [1]. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.

「彼(テーレマコス)は父の名を聞いて、眼から涙を地に流し、両の手で紫の衣を目の前にかざした」

Athena tells Penelope of her son return

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"OdysseyPenelope" by John Flaxman - From [1]. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.

「あなたの子は帰ってくることになっている」

ここまでで

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第5巻から、話はオデュッセウスの方にワープする 

20140831

以下はこち「オデッセイア2」へ続く
ちなみに全体は24巻