言葉 言葉 言葉! |
生物多様性の概念が、何よりエコロジカルなものというのは、環境庁の解説の 生物多様性とは(環境庁HP)の通りで
「地球に優しい」
「人と自然との共生」・・
お行儀の良い品行優等なイメージは、生物多様性条約の説明にある通り。
TRIPS協定(1994)の知的所有権による遺伝資源の保護は、先進国による遺伝資源の囲い込みに利用されているという主張がある。
それは、「バイオパイラシー (biopiracy)」と名づけられる。
ヴァンダナ・シヴァ(Vandana Shiva、1952- ):「グローバリゼイションの名の下に、先進国とりわけ欧米諸国は、WTO(世界貿易機関)を媒介に「特許獲得」と「遺伝子工学」という新しい武器を巧みに使って、第三世界を再植民化しようとしている。これはコロンブス以来行なわれてきた植民地政策の究極の形である。グローバル化は、長い時間をかけて世代を通して培われてきた「地域固有の知識」の価値を否定するばかりでなく、生命自体をも植民化しようとしている。市民は生物学的多様性と文化的多様性を守るために立ち上がらなければならない。
特許法は、産業財産権(知財四権)の中の一つで、「発明をした者に特別の権利(特許権)を与える代わりに、発明を公開させることにより産業の発展を促進させる目的で各国で設けられる法律の総称」であり、「発明者に対して適切な保護を与えることは勿論だが、それのみならず、発明の利用を通じて産業の発達につなげることをも考慮した、産業振興施策の一形態」という。世界遺産は、そこに暮らす人々の無形的な記憶として伝承されていく対象となる。それらは、遺伝資源、伝統的文化表現、伝統的知識の形で、営業秘密やノウハウとして伝承される過程で、伝承された地域以外の人の目にとまったとき、知的財産権法制との摩擦が生じることになる。
その問題は、遺伝資源、伝統的文化表現、伝統的知識が活用され営利性が生じてくると、その利益配分となる。
オリヴァー・フランクス1959:地球上の北側に位置する先進工業国(Industrial Countries)と南側に位置する開発途上国(Developing Countries、発展途上国ともいう)における問題提起を行うとともに、
世界のバランスの中心が西ヨーロッパから新たに発展しつつある国々に移るであろうと述べ、
北の工業諸国と南の新興諸国との間の、戦後の世界経済秩序をめぐる対立として展開した。 (kotobank)
Oliver Shewell Franks(1905-1992)
モノカルチャー(英語: Mono culture)とは、直訳するとmono(単一)のculture(栽培/文化)であり、多くの場合、単一の農作物を生産する農業形態を指す。「単一栽培」
植民地化された土地で、支配国で需要の高い農作物を集中的に生産させた事が始まりである。例えば、オランダ領東インド(現在のインドネシア)における商品作物の強制栽培制度があげられる。これにより、支配国は効率よく農作物を得ることができた。1944年にメキシコで実施された緑の革命もモノカルチャーである。 代表的な作物にサトウキビ、天然ゴム、トウモロコシ、穀物、パルプ、コーヒー豆などがある。多くは主食たりえないものばかりであり、現地住民は商品経済に組み込まれ自給能力を失い、飢餓の原因ともなった。 また、特定の産業に力を入れたためにそれ以外の産業が発達しなかった
最近では、生物多様性の観点ばかりでなく、グローバル企業によるモノカルチャーの押し付けによる途上国などの生活、文化の破壊も問題になっている。http://www.eic.or.jp/ecoterm/
生物多様性の、遺伝資源、伝統的文化表現、伝統的知識は、知的財産権法制の中で関係するとは言えないが、知的創造とは間接的な関わりを持つ。
特許権その他の知的所有権が、生物多様性条約の実施に影響を及ぼす可能性があることを認識し、このような知的財産権が、この条約の目的を助長しかつこれに反しないことを確保するため、国内法令及び国際法に従って協力する、ことである。原産地表示と地理的表示は、知的財産権法制と直接関連し、狭義の知的財産権法精の枠組みの中でとらえられる対象である。
パリ条約では、工業所有権(産業財産権)の保護の対象に、原産地表示または原産地名称に関するものを明記する
(工業所有権の語はもっとも広義に解釈するものとする)
知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)で、地理的表示の保護を確認している。商標上の地域団体商標制度において保護される。(原産地呼称保護、地理的表示保護)
⇒「特定の地理的起源、伝統的知識のある商品(テキーラ)」リュウゼツラン
地理的表示は、環境、景観の保護にも及ぶ。
⇒ビアトリス・ポター(Helen Beatrix Potter, 1866-1943)がピーターラビットの印税で湖水地方の土地を買い上げナショナル・トラストに託した
「Peter Rabbit first edition 1902a」。Wikipedia で発表。
著作権満了によりパフリックドメイン
生物の多様性に関する条約では「すべての生物(陸上生態系、海洋その他の水界生態系、これらが複合した生態系その他生息又は生育の場のいかんを問わない。)の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む」 と定義されている。
生物多様性の消失をもたらす要因は、人間活動によってもたらされる人口爆発、森林破壊、汚染(大気汚染・水質汚濁・土壌汚染)、および地球温暖化や気候変動がある。これらの要因は、累積しながら生物多様性に打撃を与える。
人間による外来種の導入は、競争による在来種や固有種の絶滅や、遺伝子汚染による生物種の変化を通じて多様性に強く脅威を与える。
(Wikipedia)本条約は、 (1) 生物多様性の保全 (2) 生物多様性の構成要素の持続可能な利用 (3) 遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分
を目的とする生物の多様性が有する内在的な価値並びに生物の多様性およびその構成要素が有する生態学上、遺伝上、社会上、経済上、科学上、教育上、文化上、レクレーション上および芸術上の価値を意識する。
伝統的知識と遺伝資源を認識し、人類の口承及び無形遺産に関して考慮する。
この条約は「枠組み」であり、生物多様性条約締約国会議(Conference of the Parties; CBD/COP)が継続的に行われている。 学術研究と、商業研究
遺伝資源へのアクセスおよび利益配分の問題は、一般的な構図としては、北側の技術・資金と南側の資源の対立としてとらえられるが、事態はそう単純ではない。
つまり南側の国がすべて生物多様性に富んでいるわけではない。
1983年のFAO 「植物遺伝資源は保存さるべき人類の財産であり、現在および将来の世代の利益のために自由な利用が可能である」
生物多様性の静的な保全の考え方は消えつつあり、資源と革新の概念を通して、動的な保全の考え方に置き換えられつつある。
生物多様性の保全、持続可能な資源の開発、および得られた利益の共有を、国々に対して勧告している。
現実のまたは潜在的な価値を有する遺伝素材(遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物その他の由来する素材)
各国は、自国の天然資源に対して主権的権利を有する。生物多様性条約(CBD)成立以前の10数年の国際的な取り組みとして、遺伝資源は人類共通の財産である、という合意(植物遺伝資源に関する国際的申し合わせ、International Undertaking on Plant Genetic Resources、1983年)が国連食料農業機構(FAO)の専門家の間でなされつつあった。しかし、特許や育種者の権利等の知的所有権強化の流れもあり先進国には反対の声も多くあった。新品種等への完全な遺伝資源アクセスを認めると育種者や特許保持者の権利が著しく損なわれる場合があるからである。 国際的な知的所有権強化の流れに対抗して、「遺伝資源」の利益配分を生物多様性条約採択の交渉の過程で途上国が強く主張した。これは途上国の遺伝資源を利用する先進国のバイオテクノロジー産業が影響を受ける点で、先進国に受け入れ難い点であり、このため交渉が難航した(アメリカがいまだに批准しないのも、主にこの理由による)。 結果としては、各国は自国の遺伝資源に対する主権的権利を有することが認められ、「遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分」が、生物多様性条約(CBD)に第三の目的として組み込まれることとなった。
フォークロアの表現は、先住民の社会及びその地域社会の文化的、社会的アイデンティティにとって不可欠であり、それらのノウハウやスキルを体現し、核となる価値観や信念を伝承する。
伝統的文化表現については、メキシコのオトミ族のテナンゴ刺繍柄にインスパイアされた、フランスのエルメスのデザインがあるが、その売り上げやデザインの著作権から得た利益は地域の文化育成小学校改築、刺繍職人の後継者育成センターをなどに充てられたという。エルメスにとっては伝統的文化をリスペクトしているというデモンストレーションにもなったと考えられる。コンドルは飛んでいく(コンドルはとんでいく、El Cóndor Pasa)とはアンデスのフォルクローレの代表的な曲: サイモン&ガーファンクルによってカバーされ日本やその他の国々に広く知られるようになった。(Wikipedia)
遺伝情報、伝統知識、伝統的文化表現と知的財産権法制との関係は、画期的な新薬の多くが先住民が太古より使用していた薬草類から発見されることに見出される。
(『知的創造サイクルの法システム』2014 児玉晴男著p59)
抗癌剤コンブレタスタチンCombretastatinは南ア又は ジンバブエなどに産生する木材ブッシュウィロー(Bushwillow)から 抽出した成分を利用した抗がん剤で今までの薬と違いガン細胞につながる 血管に血を送る作用を阻害することでガン細胞のみに作用しガン細胞を やっつけるという
ドイツの製薬会社の風邪薬(ウンカロアボ)
南アフリカのぺラルゴニウム・シドイデス(Pelargonium Sidoides)と呼ばれる植物の根の成分から作られます 。
猫頭HOME by