アドベントカレンダー2006
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Van_Eyck Louvre Rolin Madonna Detail

王冠

結婚式の話です。花嫁は天使の翼を背負い、ティアラをつける。〔…という場合もある〕一日だけまことに、彼は彼女の王であり彼女は彼の女王であった…という詩があったけ…。いや、お説ごもっとも、ちょっと世に拗ねた感じで、あまり気持ちよくもありませんが、 一日だけですか〜〜〜、そうか一日だけか…あはは(^o^;)
(A・ランボーの詩です)
西洋シンボル事典―キリスト教美術の記号とイメージによれば、東方教会では、結婚の王冠が婚礼の際の典礼として定着した、とあり、そこから、 現在は、このように日本においてもハレの日のひとつの象徴物にもなっているのですね。

図説 世界シンボル事典は12種類の王冠の図が載っていました。細くとがった部分は太陽光線を連想させるという。ふ〜〜ん。太陽を中心とした、すなわち父権的な世界像の代表と解釈される、という。… 傍線部は置いておかせていただいて、では、冠の話…





3つの事情
1.頭部に被る⇒超越的な意味
2・丸い⇒円が象徴する完全性や天上性と関連
3.高価な素材か供物的性格の素材⇒王や高僧の威厳の徴

用法
命の冠(ヤコブT)
義の栄冠(テモテU)

マリアの戴冠…聖書にないがキリスト教美術で非常に広く普及している
フランス起源(黄金伝説)
1.天使によるマリア戴冠
2・キリストによるマリア戴冠
3.神なる父によるマリア戴冠
4.三位一体によるマリア戴冠

王冠をいただいた女性の像は、対神徳である、信仰と希望枢要徳である正義、辛抱強さ、更に教会、哲学、シナゴーグ〔斜めにかしいだ王冠を被る〕をも象徴する。


図説 世界シンボル事典
ハンス ビーダーマン (著)


キリスト教美術では [主の栄光]のしるしだけでなく、 人間の到達できる最高の段階を示す
中世の彫刻では、信仰と希望、英知、それにキリスト教会〔エクレシア〕の擬人像は冠をかぶった姿で表される。
ユダヤ教の会堂(シナゴーク)の擬人像は冠を斜めにかぶり目隠しされた姿で描かれる。 ローマ教皇は三重冠(ティアラ)
五重冠は父なる神の姿を表す。
2つの辞典を引き比べてきて、〔他にも何冊かあるのだが、今はとりあえず2冊〕やっぱり値段が高い「図説 世界シンボル事典」に軍配だな、と思っていたが、この項は、さすが、「西洋シンボル事典―キリスト教美術の記号とイメージ」に軍配をあげる。




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Van Eyck


Ghent Altarpiece
あしたは宝石 の話を

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