「忙しい」のは恥と知れ

今時の人は、口癖のように「忙しい」と言う。その実態を観察すると、本当に必要な仕事をしているのは、十人中の一人か二人で、残りは役にも立たないことをやっているだけだ。それでいて、本人たちは大事な仕事をやっているつもりで忙しがっているのである。
気持ちに「ゆとり」がない時は重要案件に取り組むな。また「忙しい」のは瑣事に首を突っ込んでいる証拠だ。

『言志録』31条、『重職心得箇条』より(坂井昌彦訳)


by佐藤一斎
(1772-1859)