ヘルマン・ヘッセ

Hermann Hesse, 1877年7月2日 - 1962年8月9日
『最初の花』


小川のほとり、

赤い行李柳の花のあとから、

数知れぬ黄色い花が

この幾日

こんじきの目を開いた。



そしてとうに純潔を失った私の心の底で、

思い出が
生涯のこんじきだった朝の時間を揺り動かし、

花の眼で朗らかに私を見つめている。


行って手折ろうとは思ったが、

今は彼らをすべてそのままに

一人の老いた男、私は家へ帰っていく。


(尾崎喜八訳)




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行李柳
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Hermann Hesse http://www.h5.dion.ne.jp/~diyberg/contentsbooks.html

尾崎喜八 明治25年(1892)〜昭和49年(1974)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~matu-emk/ozaki.html






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