byM_猫頭's アドヴェント20121212

また春になってしまった
これが何回目の春であるのか
ぼくにはわかならない
人類出現前の春もまた
春だったろうか
原始時代には ひとは
これが春だなんて知らずに
(ただ要するにいまなのだと思って)
そこらにやたら咲く春の花を
ぼんやり原始的な目つきで
眺めていたりしたのだろうか
微風にひらひら舞い落ちる小さな花
あるいはドサッと頭上に落下する巨大な花
ああこの花々が主食だったらくらしはどんなにらくだろう
どだいおれに恐竜なんかが
殺せるわけがないじゃないか ちきしょう
などと原始語でつぶやき
石斧や棍棒などにちらと眼をやり
膝をかかえてかんがえこむ
そんな男もいただろうか
でもしかたがないやがんばらなくちゃと
かれがまた洞窟の外の花々に眼をもどすと・・・
おどろくべし!
そのちょっとした瞬間に
日はすでにどっぷりとくれ
花先まで分厚い闇と
亡霊のマンモスなどが
鬼気迫るように
迫っていたのだ
髯や鬚の
原始時代の
原始人よ
不安や
いろんな種類の
おっかなさに
よくぞ耐えてこんにちまで
生きてきたなと褒めてやりたいが
きみは
すなわち僕で
ぼくはきみなので
自画自賛はつつしみたい  

辻 征夫「春の問題」(詩集『隅田川まで』


こんな詩を読みました。
「ぼんやり眺める」という言葉がお好きかな・・


いや年の瀬には、予定通り、自画自賛しましょう、(笑)
髯や鬚(ひげやひげ)の、とは、いかにも・・原始時代っぽいけど・・、髯をそったら現代人・・


  今日は2012年の12月の12日目・・ 121212ですね・・


クリスマスまであと12日

2012年12月12日(水)

LastModified: 2012年

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