鳥に食べられて散布される果実というと、
赤いものが圧倒的に多いような印象がありますが、
実はそうでもないらしい。
亜寒帯や高山帯では赤い果実が圧倒的に多いが
冷温帯では赤と黒が半分くらい。暖温帯では黒5割
赤4割くらい。熱帯になると黒4割赤3割くらいで
黒い果実の方が多くなるそうです。
また、同じ気候帯の森林でも、高木層では黒い果実が
多く、下層に行くほど赤が増え、草本層では赤い果実が
圧倒的に多いそうです。
出典:中西弘樹,「鳥散布果実の色と大きさ」,(上田恵介(編)「種子散布―助けあいの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子 [鳥が運ぶ種子]」築地書館,1999. pp.41-49.)
ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木)、
学名:Toxicodendron succedaneum、ウルシ科
ウルシ属の果実は褐色系で、鳥にとって色彩的にはまったく目立たない。
ハゼノキの果実の成熟は10月以降で、果実の脂肪分は成熟後の日数の経過とともに増加する。脂肪が増加した時に一斉に食べられる。落葉後でも果実は長い間食べられずに残っており、完熟しても落ちないので、種子がそれほど目立つ必要がなく、野鳥も果実に脂がのるのを待ってから食べる。
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![]() 売り切れですけど、斑入りもあり |
LastModified: 2013年 12月11日(水)