2021アドベントカレンダー

20211219

昨日2021年12月18日、大阪北の心療内科に火をつけた患者がいたという。現時点24名が死亡している。また、近隣の高架式になっていない線路で、この年末にも人身事故が発生して、遅延証明書を仕事先に出さねばならない方々が・・
個人の苦悩で、また個人の知的衰えで 犯罪的迷惑をかける・・そんなことを今年も見たことになる。
「幸福感を感じながら生きること」は最重要な課題ですよね。 それに貢献するはずの病院でこういうことが起こるとは。∧(- - ) 合掌・・

 ミッション(蔵書整理)

「万巻図書一草堂」というのが私の理想の一つであった。”読書人”というやつ。
「言葉や文書や書物がなければ、そこに歴史はなく、人間性という概念もない。」byヘッセ

猫の美術

音もなく 庭とブドウ畑のジャングルの中をライオンがやってくる。
我が家の牡猫 私の友 私の弟だ。
甘えた声で彼はニャーと鳴き
下げた頭を私にこすりつけ 懇願するように見上げ
手足の筋肉をゆるめて地面にころがり
いつも雪白の毛をまとっている腹と喉とを私に見せ 遊ぼうと私を誘う。
しばしば彼は正確に狙い定めて すばやく私の肩に跳び上がり
体を摺り寄せ穏やかに喉を鳴らしながら 自分が満足するまで留まっている。
あるときはそっとそばを通り過ぎながら 短く挨拶しただけで シャムネコの息子 私たちの 獅子(レーヴェ)は  優雅な足取りで
物思いに沈みながら 何か予定のある森の中にすがたをけす。
彼には かつては果てしなく愛し合った弟がいる
喉と腹のところが黄褐色で 虎(ティーガー)とよばれている
かつては情愛にあふれ 離れがたかった兄弟
昔は ひとつの食器とひとつの寝床をわけあったものたちは
子供時代が去って 牡の情熱と牡の嫉妬が彼らを引き離して以来
今では苦い敵意を抱きつつ くらしている。

 

『庭仕事の楽しみ』ヘッセ著 V・ミヒェルス(編)岡田朝雄(訳)「庭でのひととき」

「ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集」全16巻臨川書店 (2009)
Amazon)

Printing4 Walk of Ideas Berlin

https://www.facebook.com/

おまけ:book.asahi.com/
「アウトサイダーってなんですか」「簡単に言えばノラネコだ」というww、昔、その言葉がトレンドだった。

花の美術

今日も『花の美術と物語』第5章のボタニカルアートをみたい。ニコラ・ロベールはミニアチュール画家。縞模様のチューリップなど (p108‐p111 ケンブリッジ大学フィッツウィリアム美術館蔵)、まさにチューリップ狂時代の人だったようだ。
その次のトピックは、同じ画家の「花のアルバム」、ロマンチックな花の贈り物。(p112~113)これが、若いニコラ・ロベールを一躍有名にしたという。
(Nicolas Robert :1614-1685 同名の人、画家が多い(-_-;))


雪割草、2本のチューリップ、風信子、アネモネ〈17世紀〉
(『花の美術と物語』p111)

Zephyr from , 'La Guirlande de Julie', c.1642
(『花の美術と物語』 p113 )
「ジュリーの花飾り」〈1642頃〉
フランス国立図書館蔵https://www.meisterdrucke.jp/
*ゼッファー (Zephyr) は、ギリシア神話に登場する西風神の英語名

植物図譜の歴史 ボタニカル・アート|芸術と科学の出会い』ウィルフリッド・ブラント著(八坂書房2014)では、第9章が、「ラベル、ロベール、オーブリエ」と三人まとめたタイトルで。

「本草学本来の飾り気のない伝統と、凝った花模様の縁飾りのある彩色写本の、より洗練された伝統の両方に影響を受けている」(p109)

・・とあり、17世紀イギリスのラベルとロベールの作品は長い間に熟してきた、いわば目立たぬ蕾が見事に花開いたようなものであった、と「16世紀の後半のフーフナーヘルなどの画家たちの作品を見ると、こうした両者融合の描法が可能であることわかる。」という。
ロベールについては、p111~115まで、技法なども紹介されている。植物を対象とする芸術において、二つの重要な貢献をしたとする。「ジュリーの花飾り」という歴史的な作品と、「植物誌(の植物画集)」(ロンドンの自然史博物館蔵)での二つある。
「ファン・スバンドングが、エイレットやルドゥテの愛すべき作品が見られた時代に、これを世界で最も美しいものと宣言した。」(p115)

では、また明日

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