2022アドベントカレンダー

2022

2022年のアドヴェント期間には、「兎尽くし」とともに、「徒然草の連続読み」、というのをしてきたのですが、実をいうと、よくわからなかったのです。正直をいうと、申し分けない、芥川龍之介の評寄りです。そこまでひどくないが、わからないという事。

ここで、徒然草をしっかり読んだ方の評を読み返して、私は何を読み落としているのか、みます。

徒然草

いまを生きる知恵

いまを生きる知恵
著者 中野 孝次/著
岩波書店 2002年01月

内容(「MARC」データベースより)
「無為」「心身永閑」「存命の喜び」。豊かな心を求めて生きた先達、良寛・兼好・老子・鴨長明・道元 ・西行・蕪村の言葉から「いまを生きる知恵」を学ぶ。現代人のための古典案内。

me20年前の刊。391ページ中の、
徒然草の著者兼好の部分は、
存命の喜び
「心身永閑」
一事を必ず成さんと思わば
・・の三章。

これらのタイトルで、私が読み取れなかった事はわかると思う。少しのことにも「先達はあらまほしき」です。

存命の喜び

死を憎まば、生を愛すべし

93段後半
「されば、人、死を憎まば、生を愛すべし。
存命の喜び、日々に楽しまざらんや」

この一句を発見したときに、そこだけが断然、他から抜きんでて光っている感じを受けました。
以来これは、私にとっていわば人生の生と死を考えるキーワードになりました。(p78)

フィリップ・アリエス『死と歴史』伊東晃・成瀬駒男訳 みすず書房
人間にとっての死の在り方を考察した名著。20世紀になって人間の死に対する態度に根本的な変化が生じた。(p80)

柳田邦男『「死の医学」への序章』(新潮文庫1990)

155段
死期(しご)は序(ついで)を待たず。死は、前よりしも来らず。
かねて後に迫れり。

心身永閑

いつ来るかわからない死

108段
もし、人来りて、我が命、明日は必ず失はるべしと告げ知らせたらんに、今日の暮るる間、何事をか頼み、何事をか営まん。
我等が生ける今日の日、何ぞ、その時節に異ならん。

死を前にした魂の幸福

尾崎一雄『美しい墓地からの眺め』 名作。(講談社学芸文庫、2019)
「生存五カ年計画」ユーモア作家らしいもじり。
大岡昇平「比島に着いた補充兵」(『大岡昇平全集第二巻』筑摩書1994)

所縁を放下すべき時なり

112段
日暮れ、塗(みち)遠し。吾が生既に蹉跎(さだ)たり。
所縁を放下すべき時なり。

ヨーロッパ中世の「メメント・モリ(死を忘れるな)」という標語との違いは、たとえば、朝紅顔の美少年が夕方には白骨になるというような、そういう意味での諸行無常ではなくて、人間の生活というのは常に死のまっただ中にある、死がすぐ隣にある、そういうのが人生なのだから、その死を自覚しながら、この一日、今生きている一日一日を大事にしようというのです。(p102)

身を閑かに

有名な第75段
つれづれわぶる人は、いかなる心ならん、
まぎるる方(かた)なく、ただひとりあるにみこそこよけれ。
(中略)
未だ、まことの道を知らずとも、縁を離れて身を閑(しず)かにし、事にあづからずして心を安くせんこそ、しばらく楽しふとも言ひつべけれ。(後略)

忙しい物事に対して閑(しずか)にし―この「閑」という字が『徒然草』では重要なキーワードなのです。
色々な雑事の縁を離れて身を閑かにしろ、この「身心永閑」が徒然草の教えの究極・理想。(p104)

 

一事を必ず成さんと思わば

心のままに生きる

世の中に使われて生きることを一番嫌う。
第60段は、人にこき使われず、自分が主となって自分の思うように生きた人の話。理想の人物、 盛親僧都。
自分の心の赴くままに自由に振舞っていて人に嫌われないこと、世間に従わないで、自分の心のままに生きていること。

一事を励むべし

188段
一事を必ず成さんと思はば、他の事の破るるをも傷(いた)むべからず。人の嘲(あざけ)りをも恥づべからず、万事に換へずしては、一(いつ)の大事成るべからず。

me読み取れなかったのは、教科書にふさわしいという通り、有名になりすぎた章段が、前面で邪魔をして、心に入らないからです。他にも「無常」という言葉で括られ自分の中で吟味されずに終わることが過度で、中野孝次さんが読み取れるものを読み落としてしまう。

少しのことにも「先達はあらまほしき」です。

2023年へ


私めの一事とは!?


チューリップの芽生えとネモフィラの開花を待つ。

2022年


中国ドラマにはまった一年。


コロナ禍の中マンションエントランス飾り3年継続(片づけ中)

思いもよらなかった事
2022年2月24日ウクライナ戦争(侵攻) の勃発
記録的値上げラッシュ:平均値上げ率14% https://news.yahoo.co.jp/
2022年の円相場は歴史的な展開になった
https://www.nikkei.com/

2022年の振り返りと2023年の予定案は、手帳に続く。手書きです♪
昨年記入の抱負も参照。

▲TOPへ戻る