言葉言葉言葉:猫頭のノート 花冠 |
女たちは、そっと男たちの顔を探った。
他の大事なものが少しでも残っている限り、
玉蜀黍などどうなってしまってもかまわないからだ。
女たちも子どもたちも
どんな不幸だって、
男たちさえしゃんとしているのなら、
けっして耐えられないほど大きくはないのだと、
心の奥の深いところで知っているのだ。
「怒りの葡萄」スタインベック(著) 大久保康雄(訳)(新潮文庫新潮社1967)
『怒りの葡萄』(The Grapes of Wrath)1939 Wikipedia |