「風光に伝語す」

朝(ちょう)より回(かえ)りて日日に春衣(しゅんい)を典(てん)し
毎日 江頭に酔を尽くして帰る
酒債 尋常 行く処に有り
人生 七十 古来稀なり
花を穿(うが)つ蛺蝶(きょうちょう)は深深として見え
水に点する蜻蜓(せいてい)は款款(かんかん)として飛ぶ
風光に伝語す 共に流転しつつ
暫時 相い賞して 相い違うこと莫(な)からんと 


杜甫「曲水」

「風光に伝語す」

この一語をもっと味わっておきたい
しばらく、春をたたえよう・・
「自然に対して言伝てしたい」・・・

ペシミストの杜甫にしては珍しい味わい、
桃の季節の酒に陶然としたのどかさ、と栗田勇さん

再掲 花冠 2011年2月 

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