厳粛な遊び:クリスマス・新年カウントダウン

クリスマスカウントダウン2011

12月8日(木)

雲に


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雲の信号

ああいいな、せいせいするな
風が吹くし
農具はぴかぴかひかっているし
 やまはぼんやり
 岩頸だって岩鐘だって
 みんな時間のないころのゆめをみているのだ
    そのとき雲の信号は
    もう青白い春の
    禁慾のそら高く掲げられていた
 山はぼんやり
 きっと四本杉には
 今夜は雁もおりてくる
         

宮澤賢治


 いっちょうけんめいやってきたといっても
 ねごとみたいな
 にごりざけみないたことだ
 ・・・ぬれた夜なかの焼きぼっ杭によっかかり・・
 おい きょうだい
 へんじしてくれ
 そのまっくろな雲のなかから 
         

宮澤賢治


春と修羅

 雲はちぎれてそらをとぶ
 ああ輝きの四月のそこを
 はぎしり燃えてゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
         

宮澤賢治


ポラーノの広場のうた

 
つめくさ灯ともす夜のひろば
むかしのラルゴをうたいかわし
雲をもどよもし夜風にわすれて
とりいれまぢかに年ようれぬ

まさしきねがいにいさかうとも
銀河のかなたにともにわらい
なべてのなやみをたきゞともしつゝ
はえある世界をともにつくらん    
         

宮澤賢治


   丘の上で
         としよりと
         こどもと
         うっとりと雲を
         ながめている
  

おなじく

おーい雲よ
 ゆうゆうと
 馬鹿にのんきそうじゃないか
 どこまでゆくんだ
 ずっと磐城平(いわきたいら)の方までゆくんか
  

ある時

      
雲もまた自分のようだ
自分のように
すっかり途方にくれているのだ
あまりにあまりにひろすぎる
涯のない蒼空なので
おう老子よ
こんなときだ
にこにことして
ひょっこりとでてきませんか

山村暮鳥 三連詩
※暮鳥の顔http://kametobi.at.webry.info/2


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