アドベントカレンダー2006
6

右手

太陽を創造する神の右手
Frescoes in the Sistine Chapel
ミケランジェロ(システナ礼拝堂)



アダムの創造
アダムの創造
ミケランジェロ


画集を買いたくなるような画家というと、ファン・エイク!!なのだが、ミケランジェロは、パトロンのヴィットリア・コロンナに、フランドル絵画について次のような意見を述べたという
フランドル絵画はイタリアのどんな絵よりも信者に喜びを与える。 それは見る人が敬虔であり、善良だからなのです。 そして女性、特に年老いた女や若い女、また修道士や修道女、真の調和に対する感性を持たない一部の貴族に訴えかけるのです。 画家は織物や石造りの建物、野の草花に木々の影、川や橋などいわゆる風景を呼ばれるものに、多くの人物をあちこちに配して描いています、こうしたものは、人々にとって喜びとなるかもしれませんが、理性や技術、均整や比例、熟練した選択や大胆さを欠いたまま、つまるところ実態や訴える力もないまま描かれているのです。
(小池寿子「描かれた身体」p57)

まずほめてはじめる批判の述べ方の妙に驚いた。ミケランジェロはこのような言い方をする人であったか…。たしかにミケランジェロの「生命力みなぎる人体」はすごいのですが、しかし、ミケランジェロがなんといとおうと私は「ヤンの小物」 をみるのが面白かった。しばらくゲントの祭壇のマリアをPCの背景に使っていた。今は ラファエロの装飾画(*下へ)で、天使と綱の上を歩く老人の絵。リボンなんかが垂れ下がっていて、なんだかわけがわからなくて細部を見るのが面白い
部屋の壁紙みたいなものだったんですね。
それはともかく、また、あのアルノルフィニ夫妻の絵についてである。
製作から少なくとも70年後には、まことしやかに扉がつけられていたという事実は、少なくともこの契りの図がきわめて親密な間柄でのみ鑑賞できる格別の作品として伝授されたことを物語っているのであろう。
(「描かれた身体」p69  )

…というのがまた、へぇ〜〜であった。
なお、19世紀前半まで、ハプスブルク家の所蔵であったというが、 アーウィン・パノフスキーによる、有名な古典的図像解釈(1934)
(蝋燭と鏡、犬などの日常的な事物にもキリスト教的象徴を見る 『偽装された象徴主義』による結婚の秘蹟との図像解釈)
に対して、 近年のエドウィン・ホール Edwin Hallの研究、 画中の人物の身振りに焦点を当てての再解釈の紹介もあった。(「描かれた身体」小池寿子)

本 アルノルフィーニの婚約―中世の結婚とファン・エイク作“アルノルフィーニ夫妻の肖像”の謎小佐野 重利 , 京谷 啓徳 , 北沢 洋子 (翻訳) 中央公論美術出版 (2001/09)

ラファエロの装飾画

Decoration of the Loggetta 1516-17 Fresco Palazzi Pontifici, Vatican
復習:
ルネサンス (仏:Renaissance直訳すると「再生」」(re- 再び + nessance 誕生)になる。) とは、一義的には、14世紀-16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的・文化的諸運動を指す。 また、これらが興った時代(14世紀-16世紀)を指すこともある。

フランドル派の画家というと
* ヤン・ファン・エイク(1390年頃 - 1441年)
* ハンス・メムリンク(1435-1494年)
* ヒエロニムス・ボス(1450年頃- 1516年)
* ピーテル・ブリューゲル(1525/30年 - 1569年)
* ピーテル・パウル・ルーベンス(1577年-1640年)


初期フランドルの絵画には古典の復興という要素がないため、中世末期の美術とみなす説もある。
* ネーデルラント(ベルギー・オランダやその周辺) 1384-1477年までブルゴーニュ公国領であったフランドル地方

ミケランジェロ・ブオナローティ(Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni, 1475年- 1564年)に対して ヤン・ファン・エイク(Jan van Eyckc. 1385 ー 1441)…





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図説 世界シンボル事典
ハンス ビーダーマン (著)

右ー左

二元原理を表す対概念のひとつで、たいていは右側が優位にあるとされ、ポジティブに解釈される。
太古から大多数の人間は右利きであった。おそらくはこうした事実を背景に右側が『よりよい』側、幸運をもたらす側とみなされるようになったのだろう。
また伝統的に、左手が縦を持つという消極的な役割をになおうのに対して、右手のほうは武器を取る…なども、こうした評価一役買っているものと思われる。
西洋では饗宴の際、主人の右側が上席となる。
最後の審判の場面では善人がキリストの右、罪人が左
復活したキリストは神の「右の座」に着く
磔刑図では、キリストと共に処刑される二人の盗人のうち、右側の盗人が「よき盗人」
多くの文化圏では右側が男性

古代中国では互いに補完しあうの考え方が基本となっていたため、左右のいずれかを常に優位とする考え方はなかった
西洋の魔術では、「右手の小径」は「白魔術」左は「黒魔術」
政治的な立場を表す際、俗に保守勢力を「右派」という(イギリスの王党派が右側を要求したため)



ミケランジェロ
ミケランジェロの絵の部分

ミケランジェロ
何故蛇に触らせようとしているのか??
モーセの蛇の杖の話も、まだ課題。

あしたは左手 の話を

M
クリスマスイヴまであと5日!
今日のプレゼント
ミケランジェロの画集

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