2022アドベントカレンダー

20221218

兎の象形文字

来たる2023年の干支の兎尽くし中です。

me古代に溯って、兎のイメージ/シンボルを見ます。ウサギの古代/象形文字を見ます。

古代中国(甲骨文字/金文)

白川静『字統』
p659
  甲骨文(3300年前?)
  金文(2800年前?)
兎という象形文字

篆文(2400年前?)
図の上は兎の頭、最後の点はシッポ。
兎の部はない。

 

me兎の象形。おさらいすると、矢島文夫解説では、 中国における文字の始まりはせいぜい紀元前1500年ごろのことで、アルファベット体系の始まりもほぼそのころのことらしい、という。しかもこの文字はそれに先行する古代エジプトの聖刻文字の用法から発生したものと考えられる、という。聖刻文字自体は、もっと古い時代にメソポタミアの楔形文字(5200年前)の影響を受けて使い始められ、楔形文字の前身のシュメールの絵文字が最古の文字だろうという。 『解読古代文字』p222(ちくま学芸文庫 1999)


補足: の字

この字は白川静『字統』では、字音は「ボウ」で、字訓は「さく・ころす・う」。犠牲の肉を両分する形で、
十二支の「う」に用いるのは仮借。
漢字pediaでは、『角川新字源』から、刀を二つ並べた形で、殺す意とある。

me 卯は時刻で言えば午前5時から7時、それで朝酒を卯飲、出勤簿を卯簿というとある(白川静『字統』(p825)が、まったく初見。
(卯杖については、見ていた)「ものと人間の文化史」というシリーズで、矢野憲一さんの「杖」(法政大学出版1998)→抜き書き

me大場磐雄「十二支のはなし」 (ニュー・サイエンス社1980/12/1刊) の中扉は、この佐賀県唐津市桜馬場出土の鏡の十二支の文字によるという) 
下が中の文字部分

古代エジプト(ヒエログリフ)

『イメージ・シンボル辞典』(ド・フリース P312)
1.太女神に捧げられ、生命、豊饒。復活をあらわす。
a.一般に歯が三角形。エジプトの象形文字では基本的存在。存在概念を表す。
古くから月と関連づけられた。月あかりの夜に野兎は集まり、無言の奇怪な劇を演じて、輪になって踊る。
b.イシスとの関連から再生の神であるオシリスの持ち物。
(略)

2.警戒心を表す。
a.野兎は目を開いて眠る。
b.エジプト象形文字の一つで、「聞くこと」「開いた目」の意味がある。

me『エジプトの神々事典』にはウサギの項はない。(河出書房新社1997)『エジプト神話の図像学』(河出書房新社2001、 『古代エジプトシンボル事典』(原書房2000))もしかりで、そちらからは検証できない・・

meAd de Vriesド・フリースはオランダの文学者。原著は1974年刊。邦訳は10年後、大修館書刊。同様の装丁で同じ山下主一郎訳で、原著1983年刊のバーバラ・ウォーカーの『神話・伝承事典』あり。私メが事典フェチになったきっかけの一つ。(1988年大修館書店刊)
閑話休題。

山下主一郎(かずいちろう)wikipedia1926‐英文学者

me古代エジプト、古代マヤ・アステカというと、芝崎みゆきさんをの画・文を思い出します。やっぱりアマチュア研究家?いや、イラストレター/ライター。
シャンポリオンを「エジプトに口を開かせた男」と、ヒエログリフの解読した様子などいきいきと紹介している。
西洋文化にはなじみのない限定詞(決定詞)の存在に気付き、スズメはなんか知らんが悪いという意味を持っている‥とかあるが、ウサギについては何も書いておられないようだ。兎神はエジプトではあまり人気のない神だったようです。
(古代エジプトうんちく図鑑 バジリコ2004刊)

徒然草の名句(170段)

(さ)したる事無くて。人の許(がり)行くは、良からぬ事なり。用有りて行きたりとも、その事果てなば、疾(と)く帰るべし。久しく居たる、いとむつかし。

人と向かひたれば、言葉多く、身も草臥(くたび)れ、心も静かならず、万の事、障りて時を移す、互ひの為、益(やく)なし。厭はしげに言はんも、悪(わろ)し。心づきなき事有らん折は、なかなか。その由をも言ひてん。

同じ心に向かはまほしく思はん人の、徒然にて、「今暫し。今日は心静かに」など言はんは、この限りには有らざるべし。阮籍が青き眼(まなこ)、誰も有るるべき事なり。

その事と無きに、人の来りて、長閑に物語して帰りぬる、いと良し。また、文(ふみ)も、「久しく聞こえさせねば」などばかり、言ひ遣(おこ)せたる、いと嬉し。

meいや、どっち?(笑)

では、また明日~~~

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