2022アドベントカレンダー

20221219

アステカの絵文字

来たる2023年の干支の兎尽くし古代に溯って、兎のイメージ/シンボルを。

me古代エジプトの他に、古代マヤ・アステカでも、芝崎みゆきさんの画・文を思い出します。
古代マヤ・アステカ不可思議大全』(草思社 2010刊)

古代マヤ文字(絵文字)

兎であるが、芝崎さんの古代マヤ文明の本の方には、「18ウサギ」コパン王の話があった。(治世695-738年)

この王の名には、ウサギの字があるからという 。しかし?
コパン遺跡の石碑芸術)→不明
『古代マヤ・アステカ不可思議大全』には、
考古学者のモーレイが、コパンは「アメリカ大陸のアテネ」だと呼んだと書かれている。
(草思社2010刊p141)

モーリー( Sylvanus Griswold Morley、1883‐1948
亜米利加の考古学者・碑文研究家。20世紀前半カーネギー研究所によるマヤ文明調査を率いた。

Copan St H
Uaxaclajuun Ub'aah K'awiil王を描いたステラ H
マヤ文字に関する網羅的サイト:地球古代村
石田英一郎『マヤ文明』1967 中公新書

me 新しめの『図説動物シンボル事典』(ヴェロニカ・デ・オーサ原著1968 八坂書房編著 2016刊)には、兎図が18あった。思うに同じ八坂書房刊の『図説世界シンボル事典』を補うものであるかと。


マヤの絵文書を記す兎の神

その1は、マヤの絵文書を記す兎の神。8世紀頃の土器の装飾。
ジャガーの皮で装丁されてた絵文書に絵筆を使って文字を書いている、とこちらの東海大学ラテンアメリカサイトにあり。また、下の図のイラストもあり。

アステカの絵文書ではウサギはトキトリと呼ばれ、月の8番目の日のシンボルとなっている。
「ボルジア絵文書」(コロンブス以前に記された、祭司のための百科全書)には、羽根の生えたヘビ (天の象徴)の上に描かれた、月の兎の図像(器に入ったウサギとしてイメージされている)が確認できる
(『図説動物シンボル事典』ウサギ

古代の多くの文化圏で、野兎は「月の動物」とみなされたが、これは満月の時に月面に見える陰影(「月の海」)が跳ねるウサギを連想させたためである。
たとえばアステカでは、ノウサギはトキトリと呼ばれ、20日を周期とする暦の8番目の日のシンボルでありっまた幸運のシンボルでもある。絵文書などでは月を表すU字形の器の中に描かれている。
(『図説世界シンボル事典』ハンス・ビ―ダ―マン1989原著刊 藤代幸一他訳八坂書房2000刊)

Codex Borgia page 10
Codex Borgia page 10

兎の入った壺としてイメージされた月
「月を表すU字型の中の兎」

Codex Borgia page 71
Codex Borgia page 71

シンボルとしてのウサギが持つその他の意味は、この動物の実際の、あるいは伝説上の性質と結びついたものであった。
ノウサギは目を開けたまま眠ると信じられており、中世の医学では野兎の肉は不眠の原因となると考えられていたので、「警戒心」の象徴となった。
(古代ギリシアではウサギの肉を食べると9日間は美しくなれるとされていた。)

臆病の象徴。ドイツ語で「ウサギの足 Hasenfuß」 は臆病者の意。
中世はノウサギに追われて逃げる兵士の図像がシンボルとして「臆病」をあらわすものであった。
(『図説世界シンボル事典』ハンス・ビ―ダ―マン)


兎を押う猟師と兎に追われる猟師
A.シュミット『キリスト教のシンボル』(1909)

me兎と猟師の図については、このほかに、野兎たちが縛った猟師を担いでいる図(例:ケーニヒスルターのニーダーザクセン)といいい、中世に「さかしまの世界」を表して言える、とあるが、『西洋シンボル事典』(p36)不明・・

『キリスト教シンボル事典』(白水社文庫クセジュ2006)の簡潔な兎の項は以下へ。

うさぎ(lapin)は両義的なシンボルであり、一方では多産ン・豊饒を、他方では淫欲を表す。
《キリスト生誕》に描かれるうさぎのつがいは、豊かな実りをもたらすメシアの誕生を称えている。

徒然草の名句(189段)

 今日(けふ)はその事を成さんと思へど、有らぬ急(いそ)ぎ、先づで来て、紛れ暮し、待つ人は障り有りて、頼めぬ人は来たり。頼みたる方の事は違(たが)ひて、思ひ寄らぬ道ばかりは叶ひぬ。煩はしかりつる事は、事無くて、易(やす)かるべき事は、いと心苦し。日々に過ぎ行く様(さま)、予(かね)て思ひつるには似ず。一年(ひととせ)の中(うち)もかくの如し。一生の間も、然(しか)なり。

予てのあらまし、皆違ひ行くかと思ふに、自(おの)づから、違はぬ事もあれば、いよいよ、物は定め難し。不定(ふぢやう)と心得ぬるのみ、真(まこと)にて違はず。

me不定(ふてい)とよむと別の意味。
不定(ふじょう)1 さだまらないこと。確かでないこと。また、そのさま。ふてい。「老少―」「生死 (しょうじ) ―」
2 思いがけないこと。意外なこと。また、そのさま。(goo辞書

では、また明日~~~

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