2003/12/7

「日本の名画にもぐりこむ猫」(2)
実はこの11月の(財)公園緑地管理財団主催
緑・花文化の知識認定試験に、
菱田春草のこの絵が問題に出てきました。
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hisida

永青文庫蔵 重要文化財
『 黒き猫図 』  1910 (明治43年)
菱田春草 ひしだ しゅんそう 1874-1911 )
菱田春草は長野県飯田に生まれ、
1890年東京美術学校に入学して橋本雅邦らの指導を受けました。
下村観山・横山大観と共に、その才能を岡倉天心に認められ、
帝国博物館での古画模写事業に携わりました。
96年東京美術学校の教員を委嘱されましたが、
98年の美術学校の内紛で辞職した岡倉天心校長に殉じて退職し
同年設立された日本美術院の正員となりました。

朦朧体とよばれる画風で、従来の日本画には見られない空間表現を試みるなど
岡倉天心の理想をする新日本画の想像に情熱を傾けました。
朦朧体とは線描を使わず、絵の具をつけないで空刷毛でぼかす彩描によって
空気や光を表現しようとするもので、
天心の指導と洋画の外光派に刺激されたといわれます。


kurokineko掛け軸 hisida_ha 部分

この絵は葉がところどころに緑を残しながら黄ばみ、
虫食いなどのいたみもこまやかに描かれています。
(「新潮日本美術文庫」尾崎正明)





2003年11月9日の第5回緑・花文化の知識認定試験の 問題

問74がこの、菱田春草の晩年の代表作「黒き猫」について

この作品で猫がうずくまっている樹木は何でしょうか。
この植物名を下記の中から選び番号で答えなさい。



1クヌギ

2クリ

3ウバメガシ

4カシワ

5シラカシ

この辺りをマウスでなでると答えが出ます→
答 4

緑・花文化の知識認定試験(c)財団法人公園緑地管理財団


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