神はどこへいった こんな真昼間
ひとびとは忙しげにまるで機械のやうに歩みさり決してこころに空洞を容れる時間をもたなかった
だから過剰になった建築の影がひとびとのうしろがはに廻る夕べでなければ神はこころに忍びこまなかつた
わたしたちの思念は平穏に そして覚醒はまるで睡りのやうに冴えてゐた
吉本隆明〔初期詩篇〕
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わたしは慣はしによつて歩むことを知つてゐた しばしば慣はしによつて安息することも知つてゐた
わたしに影がさしかかるときわたしの時間は撩乱した 風は街路樹の響きのなかわたつて澄んだ
わたしの樹々で鳥は鳴かず わたしの眼はすべての光を手ぐりよせようともしないでさしてまとまりのない街々の飾り窓を視てゐた
視界のおくのほうにいつまでも孤独な塵まみれの凹凸があつた]
吉本隆明さん・・ 合掌i~∧(-.-)〔2012年3月16日)
初期詩篇(散文詩)は暗誦(?)しましたが、あとの論考は、
こちらに基盤がないせいか、私には、いまいち、興味を持ち続けられず、
最近(?)は、娘の吉本ばななさんが見た父吉本隆明という感じのテレビ番組を見て、感慨深かったたことと
「ほぼ日」での取り上げが記憶にのこっています・・
87歳におなりでしたか・・