アドベントカレンダー2006
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かぶりもの

昨日は髪の話であったが、既婚婦人は髪を人目にさらしてはならなかったという。(図説 世界シンボル事典) ゲルマン人はターバンのように布で巻き、古代ローマでは布をかぶり、 ドイツでは、「ハウベHaube」の名で総称される被り物をかぶったので、 結婚させることをハウベをかぶせると表現するという。 そして、花婿の妻に対する夫の優位を示すために、花婿は山高帽をかぶったのだという。 〔被り物はそれを身につけた人を大きく見せるので、身につけた人への尊敬を呼び起こす〕 なるほど、ここで、戻って、「アルノルフィニ夫妻の結婚」を見るのもよいかな。

この辞典の項目では、 かぶりもの/帽子、葉冠、花冠、花輪、王冠… 西洋シンボル事典―キリスト教美術の記号とイメージ では、冠、王冠、…


祝祭装飾

葉あるいは葉と花を円環状に縒りあわせたもの
すでに古代において生け贄や酒宴の際の祝祭装飾として、
戦争あるいは試合の勝利者、また傑出した市民の飾りとして使われていた。

旧約聖書では名声、名誉、歓喜の徴である。

具体的には、
栄誉の冠(忠誠、勝利、花嫁)
神殿の冠(建築装飾)
花の冠(神を恐れぬ享楽者)
信仰のための戦いがオリンピュアの競技と比較され、
「彼らは朽ちる冠を得るためにそうするのですが、
私たちは朽ちない冠を得るために節制する」(コリントT,9,25)
⇒勝利の冠として頻繁に姿を見せる

初期キリスト教時代および中世の美術では王冠と同一視されている


図説 世界シンボル事典
ハンス ビーダーマン (著)

かぶりもの


ダイアデム(宝石のついた環状の頭飾り)葉冠、王冠…地位を表す
かぶりもの…特定集団〔&年齢集団〕への帰属を表す
派手なかぶりもの…戦いにおいてその人を目立たせる
帽子…それをかぶる人のシンボルとなる、その人の代役となる 脱帽…相手に対する敬意を表す

花冠/花輪/葉冠
stephanos ギリシア語 corona ラテン語


王冠に似ているが、持続性を持たず、支配権よりむしろ一時的な栄誉を示す
円の形により永遠をあらわすシンボル
古代ギリシア・ローマでは輪しての象徴的意味に、植物の生命力が加わったものをみなされた
キリスト教では、闇と罪に対する勝利のシンボル

corona ラテン語 crown英語は王冠と花冠の双方をさす
イエスのイバラの冠はローマ皇帝のかぶっていたバラの冠を風刺したものと解釈される

古代ギリシア

月桂冠…アポロンを象徴
パセリの冠〔ネメア競技会で、そのほかの場合はオリーブの冠)…ゼウスのシンボル
デメテル…穀物の穂の冠
ポセイドン…松の冠
フリュギアの農耕神サバジオス…ウイキョウの冠
古代ローマでは
市民の生命を救ったものにはオークの冠が送られた

「勝利に平安を与える」
J・ボシウス シンボル図像集(1702)



最後に、かんけん(×官憲○漢検)の回し者〜。
白川静の「字解」より
会意
冖〔覆いの形べき〕⇒宀(祖先祭る廟の屋根の形)
元〔頭部を強調した形〕と寸〔手〕
…廟(みたまや)のなかで頭に冠をつけている形で、男子の成人式である元服の儀礼をいう。
「かんむり」の意のほかに、冠は人の頭の上に載せるものであるから、
[最も上のもの、すぐれる」という意味にも使う

弱冠=男子ニ十歳




あしたは王冠 の話を

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