2022アドベントカレンダー

2022

漢詩文

「書は文集・文選」(『枕草子』)、
「文は文選のあはれなる巻々」(『徒然草』)

文集(白氏文集)(wikipedia)

白居易の詩文集。
数次の編集を経て、最終的に75巻本として845年に完成、 親友の元稹(げん しん779- 831 53歳没)が編集した『前集』50巻(=『白氏長慶集』)+『後集』20巻+『続後集』5巻という排列が原態。


白 居易(はく きょい、772 - 846)74歳没
:唐代中期の漢詩人。「漢化した胡人」(※)
白楽天とも言う。 『長恨歌』で知られる中唐の詩人。日本にも早くから知られ、平安時代にはその詩集『白氏文集』が熱狂的に受け入れられた。

その 原因 (wikipedia
1に 平易な作風。2に 比較的低い階層から、しかるべき地位に昇進したことは、平安貴族には理想であること。3に一種の百科事典のような役割を果たしていたこと。

現存する文集は71巻、詩と文の総数は約3800首と唐代の詩人の中で最多。自身の詩を「諷諭」「閑適」「感傷」「雑詩」の四つに分類。
「閑適詩」を「独善(自分が世に容れられないときには名利に恬淡として自身を良く修めることに努めるべきであるとすること)の義」を詠んだものであると明示した上で、自分の詩作品の中で「諷諭詩」を最も重要なもの、それに次いで意義のあるものが「閑適詩」であると述べた。

me白 居易が「漢人」でないかどうかという事はともかく、中国ドラマを見ていると、漢人・胡人などの民族、漢化の問題なども興味深い。

徒然草112段(Advent Carenndar 20221213)
「日、暮れ、道、遠し。我が生、既に蹉跎たり。」
・・白楽天の(「選択伝弘決疑抄」1254))

me島内先生の解説では、白楽天の偈であるという事のみ書かれていたた。「日暮れて道遠し」は、 「史記―伍子胥伝」にあることばによるもの、と。(コトバンク
また、蹉跎の「跎(た)」は、他の熟語で見ない。

蹉跎白髪年( 蹉跎たり白髪の年)コトバンク 〔張九齢‐照鏡見白髪詩〕

張 九齢(ちょう きゅうれい、678-740)68歳没
白 居易(はく きょい、772 - 846)74歳没
両者、唐代中期の政治家・詩人。

me(wikipedia)明治書院の「新釈漢文大系」の項目を見ると、白氏文集は最多の13巻 となっている。

このシリーズは、58年かけて中国古典120巻を完結し、毎日出版文化賞(2018年)・菊池寛賞(2018年)受賞。私は初め、新書漢文大系 =新釈漢文大系の新書(抜粋)版を来る年には読みたいと思った。しかしそちらに白氏文集は採用されていないようだ。
新釈漢文大系 白氏文集(13の)索引のみは買おうかと思ったが、高価なので、図書利用となりそう。 データベース(国立国会図書館)あり。

新釈漢文大系 97 白氏文集1
新釈漢文大系 98 白氏文集2上
新釈漢文大系 99 白氏文集3 …八月十五日夜・禁中独直・対月憶元九・香炉峰下 など
新釈漢文大系 100 白氏文集4
新釈漢文大系 101 白氏文集5
新釈漢文大系 102 白氏文集6
新釈漢文大系 103 白氏文集7上
新釈漢文大系 104 白氏文集8
新釈漢文大系 105 白氏文集9
新釈漢文大系 106 白氏文集10
新釈漢文大系 107 白氏文集11
新釈漢文大系 108 白氏文集12上
新釈漢文大系 109 白氏文集13 岡村 繁 (著) 総索引・全巻目次
新釈漢文大系 117 白氏文集2下
新釈漢文大系 118 白氏文集7下
新釈漢文大系 119 白氏文集12下

明治書院のサイトで、「今月の漢文」としていくつか紹介されている。(過天門街)

徒然草13段(Advent Carenndar 20221202)
文は、『文選』の哀れなる巻巻(まきまき)、『白氏の文集』、『老子』の言葉、『南華の篇』(『荘子』)。

文選(wikipedia)

『文選』(もんぜん)は、中国南北朝時代の南朝梁の昭明太子蕭統(501-531)によって編纂された詩文集。全30巻。春秋戦国時代から南朝梁までの文学者131名による賦・詩・文章800余りの作品を、37のジャンルに分類して収録.

新釈漢文大系 内田泉之助・竹田晃・原田種成ほか 『文選』
(全8巻、明治書院『新釈漢文大系』、1963年 - 2001年)
新釈漢文大系 14 文選 詩篇 上
新釈漢文大系 15 文選 詩篇 下 …生年不満百 など
新釈漢文大系 79 文選 賦編 上
新釈漢文大系 80 文選 賦編 中
新釈漢文大系 81 文選 賦編 下
新釈漢文大系 82 文選 文章編 上
新釈漢文大系 83 文選 文章編 中
新釈漢文大系 93 文選 文章編 下

新書漢文大系 
第19巻 『文選〈詩篇〉』2003年
第20巻 『文選〈賦篇〉』2003年
第26巻 『文選〈賦篇二〉』2004年
第35巻 『文選 〈文章篇〉』2007年。

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