2023年はウサギ(兎/卯 癸卯)年 ‥という事でウサギ尽くし中です。浮世絵の兎。江戸の兎その3。
丸山応挙 1733‐1796(その1)
葛飾北斎 1760‐1849(その2)
歌川広重 1797‐1850(その3)(wikipedia)
本日10/1は #中秋の名月 。こちらは歌川広重の「月に兎」。ふつうの浮世絵でしたら、兎の体に輪郭線を描きますが、広重はあえてそれを省略することで、兎のふんわりとした毛並みを表現しました。現在展示していませんが、『ニッポンの浮世絵』(小学館)に掲載しています。https://t.co/9YSKhHOC9k pic.twitter.com/5860OqSFlV
— 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art (@ukiyoeota) October 1, 2020
広重決定版 (別冊太陽 日本のこころ) –平凡社 2018刊
広重没後160年記念出版
太田記念美術館監修
広重は浮世絵風景画の第一人者、と謳う。
広重決定版 (別冊太陽 日本のこころ)
「広重の花鳥版画」 吉田洋子
風景画で名高い広重だが、浮世絵版画における花鳥画の大成者としても高く評価されている。
歌川広重の「月に兎」(p124)満月に兎と薄という秋を象徴するモチーフ。
シンプルな表現だが、かわいらしい団扇絵。
団扇の柄の部分を月に見立てる趣向。
兎の赤い目が、画面を効果的に引き締めている。
広重決定版 (別冊太陽 日本のこころ)
(p129)
「狂歌、俳諧、漢詩と響きあう絵―花鳥画の画讃」吉田洋子
月を見上げる兎が、木賊とともに描かれるようになったのは近世から。謡曲「木賊」によって作られたイメージだという。
俳諧讃「夜はいとし 草のむしろに露おきて
兎か妻も 寝つきんかぬらん」
「 広重の花鳥画には、ほとんどの作品に画讃として漢詩や俳諧そして狂歌が添えられている。画讃とともに絵を鑑賞することで、しみじみとした詩情を感じる点が、広重の花鳥画の魅力であり特徴でもある。」
トクサであるが、先日、トクサの列植目隠しカーテンの画像を見た後、ホームセンタ-で、ジャカランタと一緒に処分値で売られていたのを購入した。昔、義父の家の池周りにも繁殖していた。
トクサ(砥草、木賊、学名:Equisetum hyemale)
別名は歯磨草(ハミガキクサ)
ウサギやグリズリーなどの野生動物が食用とする。
ウサギが食べてるのではなく、ほんとうは歯磨きに使用しているのだという話がある。木賊兎文というウサギとトクサの組み合わせを主題とした着物や陶器などの絵柄がある。
石炭紀から存在すると言われている。(wikipedia)
「あまり一般的ではないトクサが文様化されたのはなぜ?」というサイトがありました。
やっぱり浮世絵は魅力。来年のカレンダー、これでしょうか?
人、死を憎めば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや。
人皆、生を楽しまざるは、死を恐れざる故なり。死を、怖れざるにはあらず。死の近きことを、忘るるなり。
この「存命の喜び」という言葉をタイトルに、中野孝次さんが書かれていて、『今を生きる知恵』という岩波書店2002年刊の書に収録されている。良書です。→MyBookshelfにまとめたい。
42歳でドイツに滞在中、「現実にそこにあるヨーロッパ文化と社会に立ち向かった時に、自分がわずかばかり身につけた西洋文化では少しも自分を守ることにはならぬのが、痛感」されたという。(p374)
「日本に生まれた自分が自分を確立するには、ぜひとも日本文化を知らなければならないと、1967年に帰国後は横文字を読むのを一時中止し、日本古典ばかり読んできた、と言う。しかし『源氏物語』は何度も読もうとしたがよめず、『今昔物語』、西行、『平家物語』をよく読み、最も惹かれたのは実朝だそうだ。
では、また明日~~~