ジュリエット：花の顔

おお、花の顔にかくされた毒蛇の心!
こんな麗しい洞窟に、怖ろしい龍がひそんだことがあったろうか?
美しい暴君!
天使のような悪魔!
鳩の羽根をつけた烏!
狼のように残忍な心を持った子羊！
うわべは神のように見えながら、根性は卑しい人!
みせかけとはまるで浦わらの、いわば、
堕地獄の聖者!
名誉ある悪党！
おお、造化の神よ、あなたは地獄でいったいなんてことをなすったのだろう！
この世の天国のようなあの美しい肉体に、悪魔の魂を宿らせるとは!
こんな卑しい内容の本に、こんな美しい装丁が施されたためしがあったろうか?
ああ、なんということだろう、
こんな立派な御殿の中に、偽りが住んでいるなんて！

久し振りのシェークスピアです・・
シェークスピアというと、まず浮かぶのが、
矛盾形容語法（雄弁な沈黙！凍った焔!）・・
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