かの人を語れ、ムーサよ、トロイエ―の聖(きよ)き 都を掠めた後に、諸所方々をさ迷って、数々の人の町を見、その俗を学んだ、機に応じ変に処するにたけた男を。
命を護(まも)り、一党を無事に帰国させんとて、海上で数々の苦労を心になめたが、苦心も甲斐なく、一党を救うことはできなかった。
愚かな者共よ、日の神ヒュペリーオーンの牛を啖(くら)ったばかりに、神は帰国を彼らより奪い、おのれの愚行で彼らは身を滅ぼしたのだ。
高津 春繁(こうづ はるしげ、1908- 1973)訳
ポセイドンは愛児ポリュケモスの仇、オデュッセウスを帰郷させたアルキノオス王を憤り、バルケけオス人たちの船を打って、その形のまま海中に突き立つ巌としてしまう。
202500507
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ちなみに全体は24巻