マリアの「燃える柴」そして鏡
創世記を読む
異教徒ローマ人に語る聖書
泰剛平さんの本ですけど、
面白いからと紹介されたのは、『異教徒ローマ人に語る聖書 創世記を読む』(京都大学学術出版会2009年12月刊)でしたが、
その前の
『
旧約聖書を美術で読む 』というやつ(青土社2007年4月刊)も、平行読みしようと思って
読んでいるところです。
「イエスの同時代人」フラウィウス・ヨセフスの書を、
驚くほど高い文学的レベルで聖書の再話(創世記のリライト)をしているものとして、認めているということはよくわかったのですが、
「創世記」の内容自体については、やっぱり、どうもね・・(いやはや何ともという拒否反応)
半分来たところで「燃える柴」が出てきたのでここで(モーゼと神の話なのにね、マリアが描かれる)、休憩~~
旧約聖書を美術で読む
秦 剛平/著 青土社2007年
内容紹介 天地創造はつじつま合わせ? 西洋名画や教会壁画から写本挿絵まで、旧約聖書に題をとった画像150点余を読解。美術に隠された通念を探り出し、聖書の常識と定説をつぎつぎ覆す、挑発的な8つの講義。
→「燃える柴」関連の、植物の話はこちらへ
http://www.karakusamon.com/ki_a.html・
鏡をもつキリスト
幼子のキリストは鏡をもっている・・
鏡について、世界シンボル事典では、
鏡は聖母マリアの象徴・・処女懐胎の折、神が鏡=マリアの身体を変えたり損なうことなく、マリアの胎内に神の似姿であるイエス・キリストを「映し出し」たから、とある。
イメージシンボル事典の方は、やはり分量が多過ぎて、道に迷ってしまうので、
ここでは、
西洋シンボル事典を見ると、単純明快に「虚栄の象徴として、享楽とセイレーンのアトリビュートである一方、自己省察を表すものとして叡智と真実という2つの美徳のアトリビュートである。
また父なる神が処女マリアの胎内にみずからの似姿として神の子を映し出したことからマリアのシンボルともされる。」
虚栄の寓意 Vanity ハンス・メムリンク Hans Memling c1440-1494 ヴァニタス
ここでイメージシンボル事典の方、19項目になっているごく一部であるが、
鏡は自覚を表すので「真理」と「分別」をあらわす。処女性→マリアの持ち物。愛と豊穣→ギリシアでは鏡は豊穣をもたらすお守りであった→「情欲」Lustのエンブレム
月と関連し女性の誇りをあらわす→prideの持ち物、魔女と人魚の持ち物・・
この事典では、Prideは単に「誇り」と訳している。このプライドは「高慢」と訳すと、「情欲」Lust同様、七つの大罪の一つのようだが、私としては、自分を支える「自負心」と訳したいのだが・・・
セイレーン(人魚)と鏡についてかなりの時間検索したが、これは・・・出てこないのでこの辺りで。
※後記 こちらのブログにメムリンクの絵をタロットカードにしたものに人魚が書いてあるそうだ。
http://yaplog.jp/seraphicmoon/
Wikipediaによると、
七つの大罪とは、「罪」そのものというよりは、
人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指す。
ニコニコ大百科によると、
「七つの大罪」は罪悪そのものではなく、人間を罪に導く要因たりえる感情や特性、欲望であると考えられた。ここで言う罪悪とはキリスト教概念における「罪(sin)」であり、一般的な罪とは異なる。・・・そしてまた、2008年、バチカンのローマ教皇庁より、「新・七つの大罪」が発表された。
発表の理由については、「従来の七つの大罪は個人主義的な側面があり、それとは異なる種類の罪もあるということを信者に伝え、理解させるため」とのことだという・・ここは一読して。
鏡の図像についてのWEB検索
http://www23.tok2.com/home/youda/ankh-mirror/
鏡を見るヴィーナス
ティツィアーノ 『鏡を見るヴィーナス Venus at her toilet』 C1555
鏡の前のヴィーナス(1648-51) ロンドン、
ナショナルギャラリー蔵
このベラクレスDiego Rodríguez de Silva y Velázquezの絵は『ロークビーのヴィーナス (The Rokeby Venus)』と呼ばれることが多く、他に
The Toilet of Venus、Venus and Cupidともよばれる・・・(by
Wikipedia)
ポンペイのナルキッソスの絵
Narziss
(Wandmalerei, Pompeji, um 70 n. Chr.) photo by
Wikipedia.de
水鏡(水面)と
過度の自己愛(Pride)
(イメージシンボル事典によると)
ブレイクの詩では、神の鏡=人間
民間伝承では
鏡=魂(死人が出たら鏡に覆いをかぶせるか裏返しにする。)
鏡を割ると7年間不幸が続く
バルトルシャイティス著作集4(最終巻)が「鏡」でした。
(谷川渥訳国書刊行会1994年)
副題「科学的伝説についての試論、掲示・SF・まやかし」
エピグラフ R.M.リルケ
「鏡よ、お前たちの真の姿の何たるかを
語ったものはついぞいない。」
出典「オルフォイスへのソネット」1922)⇒Orpheus・・
ギリシア神話に登場する詩人オルペウスの後代読みあるいはラテン語読みオルフェウス・・オルフォイスはドイツ語読み?
内容(「BOOK」データベースより)
天の鏡、神の鏡、魔法の鏡、アルキメデスの鏡、アレクサンドレイアの燈台、鏡占い、人工の幽霊―神話から現代の太陽炉まで、様々な鏡の科学と伝説を博捜した驚異の書。
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