女神の分類

以下、最古の女神の頁の続きで、

個別の「女神」を見る分類であるが、再掲すると、

アンソニー・グリーンの『メソポタミアの神々と空想動物』(2012)では、「天空の神々」と「地下世界の神々」とに分けている。
天と地を分けた神を継ぐのであるから、これも納得であったが、ここでは、主たる職能(?)から三つに分類してみたいと思う。

 

ちなみに、前掲書によれば、紀元前3千年紀初頭ごろから、神名表が楔形文字練習用に作られていたという。しかし、長い間に再編されたり性別も変わったり、同じ神が各々の伝統によって祀られ、矛盾も多いという。

そういうわけであるが、 ここでは、女神とは、という基本から、以下の様に分類してから、その中でもメインの女神を見ていきます。


A.母なるもの(母性):産むもの、育てるもの、守るもの

B.女性的なもの(性的):美しきもの、堕落させるもの

C.その他:教える者、導くもの

 A.母なるもの(母性):産むもの、育てるもの、守るもの


ここで、「イブとマリアは女神か?」という課題について。
聖母マリアについては、教会神学では「神の母」という称号および超人間的特性を与えはしたが、神と人間を仲介する最も聖(きよ)く、貴い人間の代表にすぎないという。(『女神 聖と性の人類学』 田中雅一編 平凡社1998)
「しかし、美術・文学・フォークロアの世界では、マリアは女神の地位を占めている。」(第7章 岡野治子)
ここでも、マリアを女神に入れます。

B.女性的なもの(性的):美しきもの、堕落させるもの

→近現代のファム・ファタル・・

C.その他:教える者、導くもの

神の分類としては、

『神の文化史事典』(松村一男ほか編白水社2013)のあと刊行された、

『神のかたち図鑑』(松村一男ほか編白水社2016)の5章に、以下の記述があった。

神話に登場する神々を分類していく視点はさまざまあるだろう。
1.自然そのものが神とされているもの、動物を神とするもの、また、人間と同じような姿をしたもの 
2.天に住む神、地上に住む神(存在領域で分ける)

『神のかたち図鑑』では、性別と役割で分ける(p147)

1.男神
最高神は男性の神、天空神もほとんど男性神
2.女神
最高神とは異なった「大女神」たち」
大地は女神と結びつくことが多い
3.役割を持つ神

もう少し、私における、神の分類についてであるが、
太古の女神と近現代の西欧への影響から考える女神、中世の寓意像としての女神の3種。
近現代の西欧への影響では古代エジプト神話の女神が別格で、 そのあと 「ギリシア・ローマ神話」という、物語の登場人物としての女神が続く。

古代エジプトの母神


このサイトの初め バステッド(人身猫頭)神
イシス女神の母子像 ムート(Mut)
参考

古代エジプトの、最も初めの4人の始原の女神たちは蛇であったともいわれる。 … (ヘルモポリス系神話):
女神 エジプトの原初の蛇
蛇をつかむ女神
⇒(唐草図鑑 聖樹聖獣)エジプトの蛇


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ギリシア・ローマ神話の女神たち

 

女神のリストhttps://en.wikipedia.org/wiki/List_of_goddesses


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参照Wikipedia

Wikipediaを参照(様様な母神の図像あり)

※Feminism思想でなく、図像の研究。
Wikipediaの分類では Category:Egyptian_goddesses
文化別の女神 (41文化)Category:Goddesses_by_culture
女神のカテゴリー39 Goddesses_by_association
ネオペイガニズム(Neo-Paganism)復興異教主義)

母権制 、 フェミニズム:(Wikipedia


文献蒐集

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