http://www.bradshawfoundation.com/氷河時代のアート入門
http://www.visual-arts-cork.com/prehistoric/
ドルニ―のヴィーナス
✳http://donsmaps.com/dolnivenus.html
photo by MN (20180617)
パリ人類史博物館の内部の壁面右のヴィーナス像の絵
(→下の『岩波美術館』《レスピューグのヴィーナス》へ)
これを見た時、この像は、かの悪名高き
「ホッテントットのヴィーナス」(人間の展示)の
代わりに描かれたものと誤解した。
そうではなかったようだ。(20190813)
先史時代のいわゆるヴィーナスの図像の文献としては、
『岩波美術館 歴史館 第1室 かたちの誕生』高階秀爾著2002年刊)がある。
インターネット時代の図像検索は、非常にありがたいもので、
以下に関連の9つを挙げたい・・
旧石器時代(ペリゴール期)、象牙、高さ15センチ
パリ、人類博物館
旧石器時代の遺品として、広い地域にわたっていくつも発見されている。男性像は全く見つかっていない。
身体の女性的特徴を極端なまでに強調している。
Vénus de Lespugue Gravettien Musée de l'Homme
解説ページの図像
ヴァレンドルフのヴィーナス(ウィーン、自然史博物館蔵)高さ 11.1cm
スティアトパイグス (steatopygous、臀部突出) 型小像
全体がずんぐりしている。
顔は目・鼻・口など細かい点は表現されておらず、胸や腰などが異常なまでに誇張されている。
子どもを産むという女性の生命力に対する信仰から、多産豊饒を願ってお守りのような意味で作られたものを思われる。
photo by MN (20180617)
(パリ人類史博物館の内部の壁面の絵)
青銅器時代前期、サン・セルナン・シュル・ランス出土
砂岩,高さ102㎝
フランス、ローデ、フナーユ博物館
✳メンヒル=長い石(立っている)、ドルメン=石のテーブル(横に乗せられている)
フランスのオワーズ川流域で発見された。類似の人像がかなりの数見つかっている。
中には男性像もあり、火打石を持っているところからおそらく火の神に関する儀式に用いられた。
紀元前4200~3600年ころ、エル・ママリア墳墓(エジプト)出土
彩色土器、高さ29.3㎝ ブルックリン美術館蔵
造形作品として、特に優れたもの。
6000年前に作られたものでありながら、清新で力強い造形感覚と形態のリズムをみせている。
紀元2500年ころ、ハラッパ―(パキスタン出土)
インド、ニューデリー美術館
紀元前2200~2000ころ、キプロス島出土
赤色研磨土器、高さ25㎝
パル、ルーブル美術館
縄文時代晩期、青森県亀ヶ岡遺跡出土
中空土偶、高さ38.4㎝
文化庁
(wikipedia)
アフリカ、ギニア、バガ族
木 高さ126㎝
パリ、ピカソ美術館
(✳ピカソの愛した豊饒の女神https://zigsow.jp/)
奇怪、異様、古典的な美の規範とは正反対の
ディフォルマシオン
20世紀初頭のフォーヴィズムやキュビスムの芸術家たちは、古典的な美とは全く違うアフリカ彫刻の大胆でたくましい津下ら強さから大きな暗示を得た。
ニューアイルランド島(ビスマルク諸島)
木彫彩色、高さ152㎝
ハンブルク、民族博物館 'Uli' Figures 祖霊像(ウリ)
http://christas.dk/helmet-mask/
マリア・ギンブタス(Marija Gimbutas、1921- 1994)
■2012年 「古ヨーロッパの神々と女神」、マリア・ギンブタスを読む
・・・紀元前8000年の世界・・
この論考で、鳥女神・蛇女神という古ヨーロッパの水の女神の象徴である、雷文(メアンダー)と渦紋(蛇)がギリシア神話と文様につながるというのが、私にとっての核心部分であった。
岩波美術館の歴史館・テーマ館の図像については、
全体的に別のサイトで見ることにします。